2007年05月31日

統廃合を考える「駒本エリアミーティング」

第1回駒本エリアミーティング レポート

学校閉鎖の危機をきっかけに地域の力が集まる

5月13日(日)、駒本小学校において、「第1回駒本エリアミーティング」が開かれました。駒本小学校は「文京区立小中学校将来ビジョン」(素案)の中で、平成21年度に学区を3分割して、誠之小、千駄木小、昭和小に統合される計画案が示されています。区長が交代し、将来ビジョンの行方はどうなるのか? 駒本小学校関係者にとっては切実な問題となっています。そこで、学校と子どもたちの教育環境を守っていくために、地域として何ができるかを話し合う場として、今回はじめて「エリアミーティング」が開かれました。その様子をレポートします。
(レポートJIBUN編集委員)



主催:駒本小学校の存続と未来を考える会

当日発表資料(PDF:54頁)

 第1部 報告『統廃合が実施されると子どもたちにどんな影響がある? 』

午後2時に始まったミーティングには、駒本小学校の保護者、学区の町会関係者、近隣地域の住民など約50人が参加。

2部構成で行われたミーティングはまず第1部の報告からスタートしました。?素案の概要と問題点、?統廃合の具体的イメージ、?駒本小学校のよいところ、?これまでの取り組み、と盛りだくさんの内容について、それぞれ担当の保護者から発表がありました。

報告の中で、ひときわ衝撃を受けたのは、2番目のテーマ、「統廃合の具体的イメージ」でした。素案が現状のまま実施されると、現在の駒本小学校の子どもたちはどういう状況に置かれることになるか、というシミュレーション。誠之小・千駄木小・昭和小の3箇所に分かれ、それぞれの学校に移ったあとの子どもたちの環境変化について、具体的データを参照しながら、保護者が予測したものです。

これによると、誠之小に行く子どもたちが受ける環境変化は、次のことが想定されるといいます。

○全校児童数は現状の誠之小より6%増

○一人当たりの校舎面積は、駒本小にいたころの21.8?(平成20年度予測)に比べ、5.7?へと4分の1になる。

○狭い校庭で、外遊びは学年ごとに曜日指定となる。(誠之小の現状)

○六中跡地に新校舎が完成するのは2013年。駒本小から行った子どもたちは校舎の完成を待たずに卒業することになる。

○異学年の交流が減少する。校外学習は学年単位に、学芸会は学年単位で観覧(誠之小の現状)

○一人一人への指導が行き届かなくなる。
例)水泳指導。現状駒本では一人一人への指導が徹底でき上達が早い。誠之では一人一人に目が行き届いていない。


続いて、千駄木小、昭和小への統合についても同様にシミュレーションが発表され、いずれも、狭い校地で多くの子どもたちがひしめき合う環境の中で、さまざまな制約が増えることに直面する子どもたちの姿が想像されました。現在、異学年の交流がさかんな駒本小の子どもたちは、自然に上の学年が下の学年の面倒をみる習慣がついていますが、交流の機会が減ると、子どもたちの心の成長にも影響が出るのではとの指摘もありました。
 

統合先の学校の実情をこまかく情報収集し、素案の文面からだけでは想像しづらいところまで、ビジュアル化して見せたレポートはインパクトが大きく、子どもた
ちの行く末を案ずる参加者からは、驚きの声に混じって苦笑とためいきが上がっていました。素案がいかに、子どもたちの視点に立たずに策定されたものである
かが、くっきりと浮かび上がった報告でした。
 


第2部トークセッション『地域のことは地域のみんなで考える』

第2部は「文京区の子どもたち・地域の未来を考えよう」と題して、トークセッション(懇談会)が行われました。その中で印象に残ったコメントを紹介します。
 

○保護者

以前は、区政は区役所にお任せしておけばよいと思っていましたが、子どもが保育園時代に保育園の民営化問題に直面して考え方が変わりました。そのとき実感したのは、子どものことは親が、地域のことは地域が、教育の問題は当事者が考えるべきだということです。親として、子どもにきちんと説明できるようにしたいと思います。将来ビジョンの問題は、地域のことや行政のことを深く考えるきっかけになりました。この機会をとらえて、地域をよくする方向性をみんなで一緒に考えていけたらいいと思います。
 

○保護者

他県から文京区のマンションに引っ越してきて、当初は地域の一員である実感が持てませんでした。でも、昨年の7月初旬に将来ビジョンの説明会が開かれたとき、熱心に質問しているのは町会長さんたちだったことに驚き、、地域の皆さんの見守りのある中で子どもたちが育っていくんだと感じました。それ以来地域の一員である意識が芽生えてきました。
 

○保護者

素案は子どもの人数はあまり増えないという前提でつくられていますが、両親とも働く家庭が増えて、育成室(学童保育)への入室希望数は増えています。学校の数が減れば学校内育成室も減るということですから、働く親にとっては大問題です。時代に逆行した考え方ではないでしょうか。
 

○地域関係者

素案は、教育委員会が指定校変更をいびつに運用した結果起こった不均衡を、尻拭いする内容に見えます。国が指定校変更の運用拡大を通達したのは、義務教育に競争原理を持ち込みたい経済界の意見が反映されたもので、本来の義務教育にとっては優先すべき要素ではないと考えます。本来守られるべき権利、つまり、駒本学区の子どもが駒本小学校に通い続ける権利を捨ててまで、指定校変更を望む保護者の権利を優先するのは、本末転倒しています。
 

ほかにも、鋭い観点からの分析や前向きな意見も数多く出され、子どもたちの未来、地域の未来について真剣に考えていこうという気運の高まりを確認する機会になりました。
posted by JIBUN編集部 at 12:40| 駒本エリアミーティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする