2007年08月07日

成澤廣修文京区長インタビュー(7月14日)

narisawakucho0714.jpg成澤廣修文京区長就任3カ月目に入った7月14日、JIBUN編集部で区長インタビューをしました。
ビデオインタビューでも聞いていますが、特別養護老人ホーム「くすのきの郷」をはじめとする区の高齢者福祉施設の今後、教育センター解体工事着工、教育長の任命などについて聞きました。


1.「くすのきの郷」に端を発する指定取り消し処分について

【Q】区立の特別養護老人ホーム「くすのきの郷」の指定管理者による介護報酬不正請求について、東京都からは区立施設の指定取り消しという厳しい処分が下されました。
http://www.city.bunkyo.lg.jp/_7014.html
今後施設の運営はどのようになっていくのですか?
【A】「くすのきの郷」については、都の処分の結果、新しい運営事業者を公募で選定し、民設民営に移行します。公募条件は区のHPで公表されています。http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_koureisya_sisetu_kusunoki.html 入所者の家族会からは、公募条件を含めて話し合いをしたいとの要請がありました。今年11月末までに引継ぎを完了する必要があるため、早急に公募しなければならず、区のほうで一定の公募条件を決め家族会に説明しました。実績や運営方針から判定できるように条件を設定しています。

【Q】「くすのきの郷」は入所者や家族からの評価が高かったそうで、家族会から指定取り消し処分に対する不服申し立ても出ているようです。そのことについては、いかがですか?
【A】たとえ良心的運営をしていたとしても、基準からはずれたことをして、しかもそれを偽装(外国人ボランティアを日本人職員であるかのように報告)したことについては責任をとらなければならないと考えています。ただ、ほかの区立である特別養護老人ホーム3カ所と高齢者在宅サービスセンター8カ所が、連座制の適用対象となってしまったことについては忸怩たる思いがあります。くすのき以外の施設は現在の指定管理者に設置者となるよう要請し、平成20年4月1日から民設民営に移行します。サービスが継続されることが最優先と考えています。

【Q】ということは区立の入所系高齢者福祉施設はなくなってしまうのですね。このような事件をきっかけに、高齢者福祉施設運営を民間に明け渡す結果になってしまって、行政が高齢者福祉の現場から、より遠ざかってしまう心配はないのでしょうか?
【A】介護保険制度が導入されたときに、もともと公立施設であった施設を民設民営に移行した自治体も珍しくありません。高齢者福祉施設の運営はもともと民間のほうがノウハウをもっていたということもあり、設立時から公設民営、民設民営というところも全国的に多いのです。最初から民設民営で運営している事業者も文京区内に実際にあります。今回のケースで民設民営に移行する施設は、区から土地と建物を無償で貸し付けることになっていますので、その分より有利な条件で運営できます。区から支援があるのと同様の効果が発揮できると思います。

【Q】質の監督に関しては事業者の良心にゆだねられるということになるのでしょうか?保育園でも民営化議論も含め、サービスの質が取りざたされていますが、区民として運営形態とサービスの質の関連は気になるところです
【A】施設の運営基準についてはこまかく法令で決められています。民設民営になったとき、中長期的な運営が安定的にできないのであれば、区が何らかの支援をする必要があると思います。特別養護老人ホームの場合は、それぞれの事業者に運営の特色の違いがあるということであって、質が高い低いということではないと思います。また、特養の場合は、区が直営で運営するという選択肢がなく、もともと区が直営していた保育園とは、出発点が違います。質の議論は同列にしないほうがよいと思います。

2.教育センター解体工事着工について

【Q】教育センターの解体工事が6月12日に着工されました。隣接する新大塚公園を守る市民団体が抗議文を提出し、「区長に伝える」とのことで延期されましたが、結局1日遅れで着工されました。経緯をご説明ください
【A】教育センター敷地は5中と7中の統合校の建設地として決まっていますので、21年度の開校スケジュールから逆算すると解体工事着工を遅らせることはできません。19年度の入学生が学校選択する際には、21年度統合校開校を前提にしていますし、それを公約に掲げて当選していますので、方針を変更するわけにはいきません。1日延期したのは、反対の意思表示をする方のいる前で強行着工することはしないという意味であって、それによって方針を変更したわけではありません。

【Q】現場の職員は、さまざまなケースで「区長に伝える」を矛先そらしに使っているように見えますが
【A】抗議文を提出した団体との直接対話はすでに持っていました。再考を求める意見も出されていることは承知していますが、21年度開校を前提に学校選択をした生徒と保護者への約束を翻すことはできません。すでにスケジュールが具体化している案件に対して、「区民参画」という言葉尻をとらえて後戻りすることは、逆に論理が間違っているのではないかと思います。合意を得ることはできませんでしたが、対話はすでに行っています。

3.教育長の任命について

【Q】宮下前教育長の辞任を受けて、前区議会事務局長の根岸創造氏を教育委員に任命されましたが、どういった観点からの人選だったのでしょうか
【A】この間「区立小中学校将来ビジョン(素案)」をめぐり、さまざまな意見が区に寄せられている中で、安定的議論のためには区役所庁内からの人材登用が適切と考えました。根岸氏は学校教育部長経験者でもあり、着実な行政手腕には定評のある人物であることが任命の理由です。議会でも全会一致で教育委員に承認されました。その後、教育委員会で教育長として任命されました。

【Q】外部からの人材登用という選択肢は考えませんでしたか
【A】まったく考えませんでした。今、教育委員会は「区立小中学校将来ビジョン(素案)」という課題を抱えています。行政のプロでなければその舵取りはできないと思っています。新たな協議体を立ち上げて「将来ビジョン(素案)」の見直しを図っていくよう、要請してあります。

【Q】これまでの経緯から、区民参画のプロセスがうまくいかなかったように見えた「将来ビジョン」を扱う教育委員会のまとめ役には、これまでの流れを変える人材を期待する向きもあったと思うのですが、庁内の関連部署経験者というこれまでの流れを汲むように見える人材の登用には疑問もありますが
【A】公平な立場で区民の意見を聞ける人物であるとの判断からです。新たな協議体もどのような形にするのか、フェアな議論が十分できる環境づくりを考えてもらうよう要請しています。従来の審議会形式も、そのあり方が問われています。必ずしも、これまでのようなスタイルにこだわらず、どのような協議体にしていくのか、小P連、中P連など関係者団体の意見も聞きながら進めることになるのだと思います。
posted by JIBUN編集部 at 13:43| インタビュー特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする